オフショア開発とは？できること・注意点と成功のコツを解説
オフショア開発とは、システム開発で活発に用いられるようになってきた開発手法です。
ニアショア開発と対比されることがある手法で、メリットが多いことから導入例が増えてきました。
この記事ではオフショア開発をすると何ができるのかを紹介します。
オフショア開発をする上での注意点と成功のコツも解説するので、オフショア開発をうまく活用していきましょう。
オフショア開発とは
オフショア開発とはオフショア（offshore）、つまり日本国内ではなく国外で開発をすることです。
海外の企業や現地法人に業務を委託してシステム開発や、開発後のシステムの運用・保守をする方法です。
システム開発ではベトナムのIT企業が主流で、フィリピン、インド、中国、バングラデシュなどの企業も委託先として使われています。
オフショア開発でできること
システムを国内で開発せずに、海外企業に委託するのはなぜなのでしょうか。
オフショア開発によって何が実現できるのかを見ていきましょう。
十分なリソースを確保できる
オフショア開発をすると、システム開発やシステムの運用・保守に必要なリソースを十分に確保できます。
日本では少子高齢化の影響によって労働力人口が減少しています。
その中で十分に経験を積んだエンジニアや、プログラマーを大勢獲得することは容易ではありません。
海外に視野を広げてITエンジニアのリソースを探すことで、プロジェクトごとに必要なリソースを集められるようになります。
開発スピードを上げられる
オフショア開発をするとリソースを増やせるため、開発スピードを上げることが可能です。
現在の社内リソースでは1人のエンジニアで9ヶ月かかる案件でも、オフショア開発を使って3人のエンジニアを投入すれば、3ヶ月で納品できるといった考え方ができます。
短納期の依頼を受け、業務を加速させたいときにオフショア開発は有効です。
人件費を削減できる
エンジニアは人件費が高いのが悩みですが、オフショア開発をするとコスト削減ができます。
日本に比べてエンジニアの人件費の単価が安い国を選びオフショア開発をすれば、人件費を大きく減らせます。
アジア圏の有力企業とのつながりを作れる
オフショア開発を通して、アジア圏で勢力を広げている有力なIT企業とのつながりができます。
企業同士のつながりももちろんですが、業務を担当するエンジニア個人との関係も構築可能です。
また、優秀なエンジニアをスカウトできる可能性もあります。
オフショア開発の注意点
オフショア開発は、安易に始めるとトラブルが起こり得るので注意しましょう。
実際にオフショア開発を開始するとわかる課題を以下にまとめました。
- 言語の障壁
- 文化の違い
- 時差の影響
- 翻訳などのコスト
オフショア開発では、主にアジア圏のIT企業と契約します。
日本語でのコミュニケーションは難しく、英語でもお互いに英語が母国語ではないので意思疎通がうまくかないことがあるので注意しましょう。
文化の違いによって、仕事に対する姿勢やビジネスマナーが異なっていて苦労したり、日本とは祝日が違うことで開発が停滞したりすることもあります。
小規模な案件では翻訳やコミュニケーションでコストがかかってしまい、結局は国内開発をした方が安上がりになることもあるので注意が必要です。
オフショア開発を成功させるコツ
オフショア開発を成功させるために重要なポイントが3つあります。
成功のコツを押さえて、オフショア開発を有効活用していきましょう。
進捗管理を徹底する
オフショア開発では、定期的な打ち合わせをして進捗管理をすることが重要です。
スケジュール通りに進むように、進捗を毎週か隔週くらいで確認して軌道修正をしていきましょう。
期日に対する文化や感覚のずれがあったとしても、頻繁にミーティングをしているうちに理解してもらえるようになります。
ブリッジSEを活用する
ブリッジSEは、オフショア開発でキーパーソンになります。
自社とオフショア開発の委託先とのコミュニケーションを橋渡しするエンジニアです。
両国の言語や文化とシステム開発について知識があり、両社とのコミュニケーションを取って相互理解を促す役割を果たします。
ブリッジSEを活用すると、オフショア開発で多いコミュニケーショントラブルのリスクを減らせます。
オフショア開発に強い国内会社に依頼する
オフショア開発の経験が十分にあり、実績を上げている国内会社にシステム開発を依頼する方法はおすすめです。
要件定義やシステム設計を国内でおこない、コーディングなどの工数がかかる部分をオフショアで進める形にすると、国内開発とオフショア開発の長所を両方とも生かせます。
ブリッジSEとしての役割も委託先に任せられるので安心です。
まとめ
オフショア開発とは、ベトナムなどの海外企業に開発を委託する方法です。
システム開発ではリソースの確保とコストの削減を同時に実現できる魅力があります。
ただ、コミュニケーショントラブルが起こりやすいのがオフショア開発のデメリットです。
問題が発生しないようにブリッジSEを利用するか、オフショア開発に強い国内企業に開発を依頼するのがおすすめです。