業務システムとは？基幹システムやERPとの違いとメリット・デメリット
現代のビジネスシーンでは、さまざまなシステムが活用されています。
その中で「業務システム」というフレーズは、頻繁に耳にするのではないでしょうか。
特に、「基幹システム」や「ERP」といった用語は、業務システムと関連してしばしば話題に上がります。
しかし、これらのシステムが業務システムとどのように異なるのか、あるいは関連しているのかについては理解が進んでいない現状があります。
この記事では、業務システムを基幹システムやERPと絡めて解説します。
また、業務システムを導入する際のメリットとデメリットも総合的にまとめていますので、業務改善を目指す際に参考としてみてください。
業務システムとは
業務システムは、企業や組織における日々の作業を効率化し、品質を向上させるために用いられるデジタルシステムの総称です。
従来のアナログ手法で行われていた作業をデジタル化することにより、業務の自動化や効率化を図ることが主な目的です。
基幹システムや情報系システムとの違い
IT導入では、基幹システムや情報系システムもよく話題になるキーワードです。
業務システムと、基幹システム・情報系システムは包含関係にあります。
基幹システムや情報系システムも、業務の効率化や品質改善のためのITツールだからです。
基幹システムは企業における必須業務を補助するシステムで、以下のような例があります。
- 財務会計システム
- 勤怠管理システム
- 人事管理システム
- 顧客管理システム
- 営業支援システム
- 販売管理システム
- 在庫管理システム
- 生産管理システム
情報系システムは、情報共有やコミュニケーションのためのシステムです。
代表例として挙げられるのは以下のようなツールです。
- チャットツール
- グループウェア
- 電話会議システム
- 社内SNS
- 社内アプリ
ERPシステムとの違い
ERPシステム（Enterprise Resource Planning System）は、統合基幹業務システムです。
複数の基幹システムを統合して管理しているのが特徴で、システムによっては情報系システムの機能も持っていることがあります。
つまり、個別の業務システムを一つに取りまとめて一元管理できるようにしたのがERPシステムです。
ERPシステムは、経営視点で必要なデータを取りまとめやすいだけでなく、部署間連携も取りやすいので近年導入が進んでいるシステムです。
業務システムを導入するメリット
業務システムは、自社の課題を解決するための有用なツールになるので、積極的な導入を検討しましょう。
ここからは業務システムの導入メリットを解説します。
個別業務の効率化ができる
業務システムを導入すれば、社内の業務を個別に効率化できます。
財務会計システムを導入すれば、毎月の経理処理や期末の決算などの作業量を減らし、内容の正確性も高めることが可能です。
ルーチン業務の精度を高められる
業務システムは、ルーチン業務のミスを減らせるのがメリットです。
アンケート結果を手入力していた状況から、OCR処理によるスキャンをすると、結果入力を自動化できるので業務効率も精度も上がります。
業務データを蓄積・管理できる
経理や勤怠、オンラインミーティングの内容などの業務データを一元管理できるのが、業務システムの導入メリットです。
部署間でのデータ連携も取れるので、業務効率を上げるDXを実現しやすくなります。
コスト削減になる
業務システムを導入すると、ほとんどの書類をなくせます。
これまで紙で上げていた稟議をシステム上で処理すれば、原本を紙媒体として保管・管理する必要がなくなります。
オフィススペースや印刷費用も節約できるのがメリットです。
業務システムを導入するデメリット
業務システムは、導入が意外に難しい点には注意が必要です。
ここでは、業務システムの活用を始めるときに起こり得る問題点を確認しておきましょう。
社員が業務システムの操作に慣れることが必要
業務システムを導入すると社員教育が必要となり、操作に慣れるまでは業務効率が下がることもあります。
導入時に研修を実施したり、複数の業務システムは段階的に導入するといった工夫をしましょう。
業務システムを使用するワークフローの作成が必要
現場のワークフローが、業務システムの導入によって変わります。
業務の全体効率を上げる戦略を立てて、ワークフローを作成することが必要です。
ワークフローが整っていないと現場が混乱してしまうリスクがあります。
システムの不具合によるトラブルが起こりうる
業務システムは、不具合が発生して仕事ができなくなるリスクがあるのがデメリットです。
クラウドシステムを利用しているときには、ベンダーのサーバーがダウンしたために業務ができないといったトラブルが起こり得るので注意が必要です。
システム導入のコストが大きい
業務システムの導入は、長期的に見るとコスト削減になる可能性がありますが、導入コストは大きいことが注意点です。
システムの開発や導入、社員研修などの総コストを加味して中長期的に利益をもたらせる業務システムを選ぶことが重要です。
まとめ
業務システムとは仕事の効率化や品質向上を目的とするITツールで、基幹システムと情報系システムを包含しています。
導入のハードルはありますが、安定して運用できるようになると、業務効率化もコスト削減もできるメリットがあります。
自社の課題解決に有効なツールなので、最適な業務システムを導入して活用しましょう。