UIとUXの違いをわかりやすく解説!
UIと UXはUI/UXとしてまとめられて、同じようなものだと誤解されていることがよくあります。
しかしUI(ユーザーインターフェース)とUX(ユーザーエクスペリエンス)は同じものではなく、明確な違いがあります。
この記事ではUIとUXの関係・違いについてわかりやすく解説します。
UIとは
UIとはUser Interface(ユーザーインターフェース)の略であり、ユーザーと製品やサービスといった広い意味での「モノ」との接点です。
つまり、ユーザーが製品を使ったときに接する部分をUIと言います。
例えば、勤怠管理システムなら打刻をするときにパソコンでシステムのログイン/ログアウトでおこなうか、クリックして打刻するか、カードリーダーに社員証を読ませるかによってUIが変わります。
利便性が高いほど優れたUIデザインというような言い方をします。
UXとは
UXとはUser eXperience(ユーザーエクスペリエンス)の略です。
UXは、ユーザーが製品やサービスを通して得た体験すべてを指します。
勤怠管理システムを例に取ると、クリックによる打刻は一長一短な面があります。
パソコンで業務をしている従業員にとっては、仕事の開始と終了の時点で簡単に打刻できるのでUXは高いでしょう。
しかし、工場の現場で作業をしている従業員にとっては、わざわざパソコンを起動してシステムにアクセスし、クリックして打刻しなければならないので手間がかかります。
この場合、面倒なシステムという印象を受けてUXは低くなります。
UIとUXの違いがわかる5つのポイント
UIとUXは、ユーザーにとってメリットの大きいシステムやソフトウェアを開発する上でどちらも重要です。
ただ、UIとUXの違いがわかっていないと、より良い製品やサービスを生み出すことはできません。
ここではUIとUXの違いを詳しく解説します。
視点や主観の違い
UIとUXでは、製品やサービスに対する視点が異なります。
UIはサービス提供者の視点で、UXを向上させるための必要な要素として、より良い仕様にするという視点で用いられる用語です。
しかし、UXはユーザーの視点で決まります。
UIにサービス提供者がどれだけ力を注いてUXを向上させようとしたとしても、ユーザーに合わなかったらUXは低くなります。
仕様として定められるUIと違って、ユーザーの主観に大きく左右されるのがUXの特徴です。
モノと体験の違い
UIはモノとユーザーとの接点です。
UIは、製品のデザインやWebサイトのレイアウトなどによって決まります。
製品のデザインが優れていたとしても、ユーザーが「使い方がわかりにくい」と感じたらUXは低くなります。
Webサイトのレイアウトが整然としていて見た目ではわかりやすそうだったとしても、サービスに申し込もうとしたときに、メールで申し込みたいのに電話しか対応していないとなるとユーザーは不満を感じるでしょう。
結果としてサイトを利用したユーザーのUXが下がります。
このようにUIが優れていても、ユーザーが期待する体験ができなければUXは上がりません。
モノに関連するサービスの違い
UIとUXではモノとの関連性に違いがあります。
UIはモノから直接受ける体験に影響しますが、UXではモノ以外の部分でのユーザーの体験を含んでいます。
例えば、簡便な申込フォームが用意されていて簡単にホームページから申し込めたらUIは良いと言えるでしょう。
しかし、申し込みが受理されたけどサービスの説明がなかったり、疑問点があって質問のメールをしてもレスポンスがなければUXは低くなります。
比較される対象の違い
UIとUXではユーザーの視点で比較する対象が違います。
近年では、UIは使いやすさが整っていることが求められます。
一般的に標準設計と考えられている仕組みができていることが当たり前とされています。
一方、UXでは競合と比較されることが多くなっています。
競合の類似製品と使い比べて、より良い方を選ぶユーザーが増えてきています。
UIは当たり前をクリアすることが大切なのに対して、UXの向上にはより良いものを目指して競争することが必要です。
売れ方の違い
UIが優れていても、UXが高くなければ売れない時代になっています。
体験を重視するユーザーが増加しているからです。
例えば、ソフトウェアがモバイル対応をしていないとスマートフォンで使えないことを不満に感じるユーザーが出てきます。
モバイル対応になっていても、自分のスマートフォンに対応していない場合にはUXが低くなるでしょう。
UXを向上させることでユーザーが選びたいと思うようになり、製品もサービスも売れるようになります。
まとめ
UIとUXの違いはモノの設計・機能か、モノを介したユーザーの体験かです。
製品やサービスのUIが優れていればUXが向上するでしょう。
しかし、UIが完璧でも、モノに関連するサービス対応が十分でないとUXは低下します。
UIを整えた製品やサービスを開発した上で、UXを最大化させられるようにユーザー視点でサービスを提供することが大切です。